ボクシングの東日本新人王決勝の記者会見が、10日に都内で行われた。

 11月3日に東京・後楽園ホールで、11階級で新人王を争う。スーパーフェザー級ジロリアン陸(29=フラッシュ赤羽)は対戦相手の今井健裕(24=ワールドスポーツ)との写真撮影で、口からトランプを吐き出して得意のカードマジックで先制パンチを浴びせた。

 練習後に渋谷のセンター街の路上で営業するマジシャン。中学からの趣味で、クラブなどの仕事もあるが、収入は約10~30万円と天候にも左右される。「足りない分はファイトマネーで」という。

 仙台工では投手だったが、専門学校をへてテレビ東京系の制作会社に入社した。テレビカメラマンで内山の中継スタッフにも入っていた。いとこのキックボクサーの試合を見て興味を持ったが「蹴りが痛そう」と、10年からボクシングを始めた。

 14年の初戦はお笑い芸人ロバート山本とデビュー対決し、4回TKO負けした。翌月には会社を辞めて本格的に取り組み出し、その後はオールKOの7連勝。

 リングネームも本名の高橋から変えた。ジロリアンはラーメン二郎のファンを指すが「年間300杯は食べ、その半分は二郎」。決勝に備えて減量もあるため「あと2日で終わり」と笑った。「KOでスコーンと倒してMVPになりたい」。決勝の入場でもマジックを披露しようと思案しているそうだ。

 一方の今井は本格派の元高校球児だ。小学校では日本ハムの松本投手、二松学舎大付では広島で内外野手の鈴木とチームメートの内野手だった。流経大時代にキックボクシングを始めたが、13年に「プロのメジャーはボクシング」と転向した。こちらも5勝(4KO)1分けと負けていない。「KOしてラーメン二郎にいきます」とのカウンターを返した。