WBO世界ミニマム級王者の山中竜也(22=真正)が10日、母校の堺市立美原西中で人生初の講演会に挑戦した。

 タイトルは、自身が卒業文集で記したフレーズから「夢はでっかく世界チャンピオン」。生徒約500人を前に、王座を奪取した8月27日の世界戦の映像をバックに、当時の心境などを語った。

 ベルトを手にスーツ姿で登場した山中は、強さの秘訣(ひけつ)を問われると「自分が強いとは思えなくて、その自信のなさがあるから練習で自分を追い込んでいけると思う」と語るなど謙虚さは普段通り。「夢にはいろいろ障害があるけれど、選んだ道を後悔しない生き方をしていってほしい」と訴えかけた。

 慣れないトークを終えると「試合とは全然違う緊張感で、変な汗をかきました」と苦笑い。今夏の全日本アンダージュニア王座大会の中学生女子44キロ級で優勝した在校生の西中結菜(2年)から花束をもらうサプライズなどもあり「すごいですね」と刺激を受けたようだ。

 また、世界戦で左眼窩(がんか)底を骨折し、9月上旬に手術したことを明かしたが「もう大丈夫です」と表情は明るい。陣営は、年内にも初防衛戦を行う方向で調整しており、今後はトレーニングを本格化させていく。