WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が15戦全勝全KOで2度目の防衛に成功した。同級9位の元2階級制覇王者モイセス・フエンテス(30=メキシコ)を1回2分32秒KOで下した。

 立ち上がりこそ守勢に回ったが、1分30秒過ぎ、左右のフックで動きを止めた。残り30秒、左の連打からガードが空いた腹に右ボディーをたたき込み、マットにひざまずかせた。

 電光石火のKO劇に比嘉は試合後「皆さん、高いお金を払って1ラウンドで終わってすいません。テレビ局の皆さんもすいませんでした。(KOで)倒すと言って試合に臨んできたので、やっぱ、格好いいですね。もってる男かなと思いました」と茶目っ気たっぷり。比嘉から「会長、お褒めの言葉をよろしくお願いします」と促された具志堅用高会長も愛弟子のこれ以上ない勝ちっぷりに「もう試合終わったの?えっ1ラウンド?」とノリノリだった。

 14年6月のデビューから続く連続KO勝利も更新。同じ沖縄出身の世界王者・浜田剛史(帝拳)らの日本記録に並んだ。比嘉は「KOがなければ僕はただの世界チャンピオン。特別なチャンピオンになるためにもKO勝ちを続けます」と次戦での日本新記録樹立をにらんだ。