世界初挑戦となったスーパーバンタム級11位松本亮(24=大橋)が、王座奪取を逃した。接近戦のテクニックが高かった王者ダニエル・ローマン(27=米国)に最後まで試合のペースを握られた。最終12回まで戦い抜いたものの、0-3の判定負け。病気を乗り越え、満を持してプロ23戦目での世界ベルト挑戦となったが、好機を生かすことはできなかった。
身長10・3、リーチ2・5センチの優位を接近戦でつぶされた。体格で上のはずの松本が連打でロープ際まで押された。「1回から相手ペースになってしまった。相手が手数も多くてバランスも良かった」。何とか中間距離のキープを試みるものの、ローマンのスピードに対応できなかった。「(セコンドから)前にいけと言われたけれど、いけなかった」。本来の動きができず、両肩を落とした。
16年9月、中学時代から悩まされてきた副甲状腺機能亢進(こうしん)症の再手術を受けた。身長が3センチ近く伸び、自然と体重もアップ。以前は前日計量後に嘔吐(おうと)を繰り返したが「今回の体調はめちゃくちゃ良かったですから」と悔しそうに唇をかんだ。初めて12回を戦い抜いた。手数で劣勢に、守勢の時間帯も続きながらも、ダウンはしなかった。師匠の大橋秀行会長(52)は「思ったよりも王者が強かった。負け方はいろいろあるが、今日はいい負け方」と評価する部分も口にした。
高校時代からタイトル獲得数を競り合ってきた同学年で同門の世界2階級制覇王者・井上尚弥(24)から遅れること約4年。プロ23戦目にして初めてつかんだ世界挑戦だった。0-3の判定結果を耳にして天を仰いだ松本。「もっと練習から変えて練習しないとダメ。甘かったということ」。高校4冠のイケメンボクサーは、傷つき、腫れた顔を引き締めた。【藤中栄二】

