WBO世界ミニマム級王者山中竜也(23=真正)が紳士的対応で、挑戦者からの挑発をスルーした。11日、神戸市内で行われた調印式と記者会見に出席。13日の2度目の防衛戦で激突する同級3位サルダールと顔を合わせた。

 壇上で相手陣営から「勝って再戦のチャンスを与えたい」と仕向けられた。これには怒り…かと思われた山中だが、写真撮影ではサルダールにペコリと頭を下げ、両手を差し出して握手。苦笑いで「しっかり(今回の)1回目で僕が勝ちたい」と誓った。ピーク時62キロの体重は、計量前日で200グラムオーバーの47・8キロと順調。「ビッグパンチをもらわない距離」を意識し、ピンク髪の挑戦者に格の違いを見せつける。

 勝敗に関係なく、今回の収益の一部を西日本豪雨の被災地に寄付する予定。勝てば山中が直接被災地を訪問するという。「僕はボクシングしかできない。戦う姿を見てもらいたい」。穏やかな王者は、リングの上で熱くなる。【松本航】