5度目の世界挑戦となった東洋太平洋ミニマム級王者花形冴美(33=花形)が決定戦を制し、新王者となった。2階級制覇を狙った元WBC同級王者黒木優子(27=YuKO)と同王座を争い、2-1の判定勝利を収めた。

3回に強烈な右ストレートでぐらつかせると、低い姿勢で相手の左ストレートをかわしてボディーを連打。7回には偶然のバッティングで20秒のインターバルが設けられるほど激しくぶつかりあった。終盤は接近戦での打ち合いが続いて10回を戦い抜いた。ジャッジ3人のうち2人が96-94、1人が95-96という僅差判定勝ちとなった。

「やっと1つ自分の壁を乗り越えられた」と感慨に浸る花形は試合後、リング上で師匠の元WBA世界フライ級王者花形進会長を肩車して喜びを表現した。「世界王者になったら(肩車を)やると決めていた」。本名は田中冴美だが、花形進会長の名前をもらって08年のデビュー戦から現在のリングネームに。そして師匠と同じ5度目の世界挑戦での王座奪取となり「まず初防衛を成功させて会長を抜きます」と宣言。同会長は「花形のリングネームをつけたからなかなか(世界王者に)なれなかった。オレの同じ5回目だし、これで防衛してオレを抜いてよ」とハッパをかけた。

過去2度の1勝1分けと負けなしだった黒木にまたも競り勝った花形は「今までの彼女のパンチでしか効かされたことがなかった。何度でもやりたい」と試合後にあいさつに来た黒木に約束していた。