ボクシングWBO世界ミニマム級2位谷口将隆(25=ワタナベ)が世界王座獲得に失敗した。同級王者ビック・サルダール(28=フィリピン)のV1戦で世界初挑戦。王者の右ストレートでポイントを奪われ、中盤からボディー攻撃も単発で、0-3の判定負けを喫した。ジムから5人目の世界王座獲得はならず。同学年で一緒に入門した2階級制覇王者京口紘人(24)に、肩を並べることはできなかった。

 

   ◇   ◇   ◇   

 

谷口が倒し切れなかった試合と言っていい。序盤にスピードで上回った攻撃をみせ、7回には良いボディーを打ち込んでいた。

流れをつかむタイミングは多くあったのに、スタミナ切れした王者を捕まえきれなかった。素晴らしい左ボディーアッパーなど技術面の高さ、そして実力と素質も見せた内容だっただけに、もったいない結果だった。

谷口は日本、東洋太平洋の両王座挑戦時にも僅差で敗れている。この世界初挑戦も判定のポイント差ほど離れた試合ではなかった。ほぼ僅差の負けだろう。不足しているのは、2階級制覇王者で同門の京口のような強引さ、気迫なのではないか。師匠の渡辺会長ら関係者が頑張ってセッティングしてくれた初めての世界舞台なのだから、必ず好機はつかまないといけない。この経験を次に生かし、支えてくれている周囲に恩返ししてほしいと願う。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者・大橋秀行)