全日本プロレス史上初となる無観客での3冠ヘビー級選手権が行われ、王者諏訪魔(43)が挑戦者芦野祥太郎(30)を下し、初防衛を果たした。

188センチの諏訪魔に対し、芦野は174センチ。体格差では有利だが、元日体大レスリング部で馳浩氏にスカウトされプロレス界入りした芦野のパワーと技術に苦戦した。低空ドロップキックやアンクルロックで足を徹底的に攻められるが、ジャーマン連発で流れを引き寄せ、最後は芦野を高々と持ち上げてラストライドでマットにたたきつける。そのまま3カウントを奪い、27分59秒で勝利を決めた。

諏訪魔は3月23日の後楽園大会で前王者宮原健斗から王座を奪取。以来3カ月ぶり、しかも無観客での3冠戦はベテラン諏訪魔をも緊張させた。「3冠ベルト守ったぞ、オイ。全日本プロレス史上初めて無観客で3冠戦やって、勝ったぞ。ベルトと全日本の看板を守れてよかったよ」と報告した。

全日本は7月13日から有観客興行を再開する。諏訪魔はファンの前で世界タッグを保持する盟友石川修司に“究極の5冠戦”をやろうと持ちかけた。2つの統一王座である世界タッグと3冠ヘビーの5冠を諏訪魔は同じ5冠の資格がある石川との究極の戦いを以前から求めていた。「お客さんいれるのが決まったんだから、俺の夢である究極の5冠戦をやりたい」と呼びかけると、石川は「7月25日、俺とそのベルトをかけて、これぞ全日本という戦いをしませんか」と約4カ月ぶりの聖地後楽園ホールを舞台に指定した。諏訪魔は「ボロボロになるまで正々堂々と勝負したい」と話し、2人は固く握手した。