キックボクシング界の“神童”那須川天心(22)が、この試合を最後に引退する“Mr・RISE”裕樹(37)から計4度のダウンを奪い、2回KO勝ちをした。

試合開始早々に、左ストレートで最初のダウン。さらに2回、右のジャブでコーナーに追い込み、左で2度目。パンチの連打でもう1度ダウンを奪うと、最後は左の飛び膝蹴りを顎に打ち込み、試合を終わらせた。

一緒に食事もする相手の引退試合だった。2回には体に刻むように、あえてノーガードでパンチを受けた。「(なぜやったかは)わかんないです。途中で普通の試合じゃない感覚だった。思いが詰まった重いパンチだった」とかみしめた。

この日、那須川への挑戦者決定トーナメントが行われ、昨年判定で勝利した志朗(27)との再戦が決定。試合は来春に予定されている。「向こうは作戦を練ってくると思う。ハイレベルな戦いになるんじゃないかな。でも、これまでに倒した選手1人1人を思うと、負けられない」とさらなる高みを目指すことを誓った。【南谷竜則】