ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合は、ビッグダディこと林下清志氏の三女・詩美(22)が上谷沙弥(23)とのタッグで、ANM(18)、渡辺桃(20)の挑戦を退け、2度目の防衛に成功した。

20分を過ぎ、林下とAZMの一騎打ちの戦いが続いていた。林下は何度もAZMに苦しめられ、窮地に追い込まれたが、跳ね返し続け、流れを引き寄せて逆転。最後はリング中央で両手を挙げ、観客の手拍子に後押しを受けたあと、豪快にジャーマン・スープレックス・ホールドを決めた。「今年のタッグリーグ優勝チームなので、簡単にはいかなかったけど、最後は自分たちのタッグ力が勝った。チャンピオンとして結果を残せて安心した」とホッとした表情を見せた。

デビューから3年目。「体も大きくなったし、技も増えてパワーもついてきた」。タイトルも取れるようになり、引っ張る自覚も出てきた。明日15日には2冠をかけ、ワールド王者の岩谷麻優(27)に挑戦する。「簡単に倒せる相手ではない。何をされても最後まで立っている選手。今は世界の岩谷麻優だと思う」と敬意を払うほどの絶対的存在に立ち向かう。「誰がベルトを奪うのかと考えたら、自分が行くしかない。今年に入ってずっと成長しているので、1000%の私で挑める」と普段はあまり感情を表に出さない林下が熱く語った。

力強い“応援団”が勝利を後押しする。父・清志氏からは「ベルト取っても取れなくても全力で挑め」と激励を受けた。15日の岩谷との大一番には仙台まで駆けつけるという。約1年ぶりの応援に「自分から言うくらいなので、期待してくれているんだと思う。久しぶりなので、お父さんの前でいいところを見せられたら」と声を弾ませた。

家族のグループラインは10人以上。多くの励ましに加え、前夜には試合連絡を、当日には結果を“誰か”が教えてくれる。「家族大好きっ子なのですごく力になる。うちは他の人の何倍もいるので」と笑顔を見せた。誰よりも大きな力をもらい、2冠王者に輝いて、スターダムの新しい時代を築く。【松熊洋介】