リーグ戦2位の高橋ヒロム(31)が、同1位のエル・デスペラードに勝利し、2年ぶり2度目の優勝を飾った。

何度も名勝負を繰り広げてきたライバル同士の戦いは、途中でまさかの展開となった。高橋からマスクをはがされかけたデスペラードは、自らの手でマスクを脱ぎ取った。正体は高橋のデビュー戦の相手、三上恭佑だった。その後はお互いがヒートアップし、技の応酬となった。30分を超え、TIME BOMBで主導権を握った高橋は、その後TIME BOMB2で終止符を打った。

正体を知った高橋だったが、試合後「あいつはデスペラードだ。それ以外の何者でもない」とリング上で戦った相手をたたえた。さらに「デスペラードが相手でよかった。今の感情は好きに近いぞ。お前とはこれから先も引退するまでやり続ける。またやろうぜ」と思いを伝えた。素顔をさらすことになったデスペラードは「俺の同期最強だろ。でもリング上には高橋ヒロムとエル・デスペラードしかいなかった」とコメントを残した。

10人による、約1カ月に及ぶ戦いを制した。高橋は「長かったし、痛くて辛くて何度もくじけそうになったけど、何よりもプロレスが楽しかった」と正直な気持ちを吐露した。リーグ戦では9試合中6試合でメインを張り、試合前には相手の攻略本を持って登場するなど、会場を盛り上げた。新日本ジュニアを背負っていく立場としてファンを大事にする。「思いっ切りプロレスをして元気を与え、みんなは拍手を送り、俺たちが元気をもらう。そういうつながりが新日本プロレスとしてやってきたことだと思う」。

試合後には「戦いたい相手がいる」と言い、米国で行われている「スーパーJ-CUP」の優勝者を次戦の相手に指名した。「アメリカでもジュニアが頑張っている。単純にどっちが強いのか、やり合おう」と話した。日米の戦いを制し、最強王者を証明する。