総合格闘技(MMA)のRIZIN26が31日、さいたまスーパーアリーナで行われる。第12試合では、1年半ぶり参戦の五味隆典(42=イーストリンカンラスカルジム)が、皇治(31=TEAM ONE)と対戦する。

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五味は98年に修斗デビューし、いきなり13連勝を挙げるなど、注目を集めた。04年に自ら立ち上げたPRIDE武士道でも10連勝。05年12月には桜井“マッハ”速人を倒し、初代ライト級王者となった。PRIDEではわずか2年10カ月で14試合を戦い、13勝1敗。激しい戦いでKOを奪っていく姿に「火の玉ボーイ」の愛称が付いた。10年から参戦したUFCでは苦戦が続き、17年にRIZINに出場、18年7月にはギラードを1RKO勝ちした。

21日のカード発表会見では「五味ワールド」を展開した。榊原CEOからオファーがあったのが今月10日ごろ。「家でワンちゃんたちと見る予定だったが(佐々木)憂流迦がどうしても見てくれと言ったので、セコンドに行く予定だった」と明かした。体重は82キロあったといい「しっかり絞っても75キロくらいかなあ。減量すると元気なくなっちゃうんで」。65キロ前後の皇治とはかなりの差があり「あとで何言われても嫌だし、ヘッドギアしてもいいかと思います」と発言した。

これに対し、皇治は「一時代を築いた五味ちゃんと決まってうれしいですね。ぶん殴りにいくんで。歳も歳なんで減量しなくていいですよ」と余裕。さらに「酔っぱらっているんじゃないかな」と挑発を続けた。終始生意気な態度に五味も「そのエネルギーを試合に出そうよ」と打ち切った。

今回はスタンディングでの戦いとなる。五味は、メイウェザーが来年2月の「MEGA2021」大会で来日予定であることにも触れ「機会があったら(やってみたい)と思って練習していた」と明かした。実は30代にボクシング転向を考えていたほど好きだったという。榊原CEOも「以前からパッキャオともやりたいと言っていただけあって、自信を持っている。ヘッドギアの話は真剣に考えていた」と明かした。さらに「こういう時になんだかんだいい話が回ってくるのも、それを持っていくのも五味らしい。嗅覚を持っている」と大舞台でのパフォーマンスに期待した。

「エキシビションなんで40代でもできる」と控えめな五味と「昔は火の玉ボーイでしたけど、今は元気もないオジサンと思って倒したい」と豪語する皇治。本当に強いのはどちらか、大みそかではっきりさせる。【松熊洋介】