IWGPジュニアヘビー級選手権試合は、挑戦者の高橋ヒロム(31)が4度目の戴冠を果たした。ライバルの王者石森太二(37)に挑み、25分31秒、TIME BOMB2で沈めた。4日にスーパーJカップ王者エル・ファンタズモ(34)を撃破したばかりの連戦。体力的にも不利な状況ながら、25分超えの激戦を制した。NEVER無差別級選手権試合は王者鷹木信悟(38)が挑戦者ジェフ・コブ(38)を下し、初防衛に成功した。

   ◇   ◇   ◇

NEVER無差別級王者の鷹木がコブの挑戦を退け、初防衛に成功した。体重差20キロの天敵に真っ向勝負を挑み、18年の新日本加入後、初勝利を挙げた。

119キロの巨漢を何度も投げ飛ばし、何度も投げ飛ばされた。力と力のぶつかり合いは20分を超え、最後はパンピングボンバーでコブを1回転させ、よろけるコブにラスト・オブ・ザ・ドラゴンで沈めた。バックステージでは立つことができないほど疲労困憊(こんぱい)。「ダメージで気分は最悪だけど、最高のスタート」と振り返った。

コブとは19、20年G1クライマックスのシングルマッチで敗れ、昨年12月のワールドタッグリーグでも勝てなかった。「10対0ぐらいで分が悪い」と言いながらも「正面から受け止める」と挑み、恥をかかされ続けてきた相手にようやくリベンジ。それでも「1つ返したにすぎない。終わりじゃない」とさらなる対戦を示唆した。

18年に14年間所属したドラゴンゲートを去り、新日本に加入した。ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を立ち上げた内藤からの誘いを受けた。「リスクがなければ大きな成功はない。1歩踏み出す勇気をもらった」と35歳で新たな環境に飛び込んだ。昨年2月に初の同タイトルを獲得。8月の神宮大会で鈴木みのるに奪われたが、11月大阪大会で再奪取し、衰えを感じさせない。「アドレナリンも、モチべーションも最高潮だった」。

同世代を意識する。今大会「57年組」の飯伏、内藤にはメインを奪われた。「あのシチュエーション最高じゃねぇか。いい刺激をもらったよ。だから今日は何が何でもやるしかないと」。悔しさを同い年のコブにぶつけ、存在感を見せた。アニマル浜口道場出身。デビュー16年となるが「気合」だけは誰にも負けず、今年もリング上で暴れる。【松熊洋介】

◆鷹木信悟(たかぎ・しんご)1982年(昭57)11月21日、山梨県生まれ。高校卒業後、アニマル浜口道場に通い、21歳で闘龍門(後のドラゴンゲート)に入門。04年10月にプロレスデビュー。06年に単身で米国修業に行き、07年に日本復帰。08年ドリームゲート王座を初戴冠。18年に新日本に移籍。19年1月にIWGPジュニアタッグ王座を奪取。所属ユニットはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン。178センチ、100キロ。

「新日1・5東京ドーム大会写真特集」はこちら―>