バンタム級最強へ、朝倉海(27=トライフォース赤坂)が好発進した。同級トーナメント1回戦で渡部修人(32=ストライプル新百合ケ丘)と対戦。1回、立ち技で不利とみて組み技を仕掛けてきた渡部に首をきめかけられたが、逆にマウントを奪って顔面をボコ殴り。1回3分22秒、グラウンドパンチでTKO勝ちした。

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朝倉海の陣営が一瞬、凍り付いた。対戦相手の渡部は、立ち技を避けて徹底して組み技を仕掛けてきた。テークダウンを奪われ、首をきめられた。しかし、そんな逆境もチャンスに変えた。マウントを奪うと、渡部の顔面をボコ殴り。たまらずレフェリーが、試合をストップした。

試合後、朝倉海は笑顔でマイクを握った。「東京ドーム、最高すぎて気合が入りました。昨年の大みそか、みなさんの期待を裏切ってしまったんですけど、また強くなって戻ってきました。このトーナメント、僕が絶対に優勝することを約束します」と堂々のV宣言をした。

試合前の公式会見では「(渡部は)決める力を持っている」と警戒心を強めていた。決して楽観視はしていない。昨年大みそか、堀口恭司に1回TKO負けを喫し、RIZINバンタム級王座から陥落した。失ったタイトルを再び奪い返す戦い。「大みそかから強くなっているかを見せたいと思っている」と強い意気込みを語っていた。

「総合格闘技を練習したり、ボクシングジム、パーソナルトレーニングで体を鍛えたりその分野のプロフェッショナルに聞いている。寝技の練習も取り入れている。(大みそかからは)試合の組み立て、戦い方を変えた。パンチに偏ったスタイル。蹴りやレスリング、総合的なスタイルに変わってきている」

敗戦から学び、進化を求めてきた、その一端を示した。ただ、この日の勝利は、最初の1歩にすぎない。総合格闘技界におけるバンタム級最強へ。朝倉海は力強く進んだ。【実藤健一】

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