RIZIN29大阪大会(27日、丸善インテックアリーナ大阪)でムエタイの元ライト級王者梅野源治(32=PHOENIX)と対戦する皇治(32=TEAM ONE)が26日、前日計量に臨み、「全裸」でクリアした。

パンツをはいてはかりにあがると、61・05キロで50グラムオーバー。着けていたネックレスを外しても変わらず。「この計量計おかしいんちゃうん」と言いつつ「大阪やしね、50グラムやしね、セクシー系の皇治を見せとこか」とパンツを脱いで直後に計り直し、61・0キロのリミットでクリアした。

自ら提案した、地元大阪での「KICKワンナイトトーナメント」がいよいよ始まる。今大会用にベルトも作られた。前日のオンライン取材で目にした皇治は「俺のだから今日持って帰ろうかな」と余裕を見せたが、今大会は今までにない覚悟を持って臨んでいる。普段なら試合直前まで飲んでいたお酒も封印。事業にも成功し、知名度も得たが「モテすぎて分からなかったけど、お金で買えないものを見つけた」とベルトへの執着心を見せる。

ビッグマウスが売りの皇治。実は幼いころは控えめで恥ずかしがり屋だった。プロになった16年前は、人前で話すのも苦手だった。ファイトマネーは1万4000円。スーパーや新聞配達のアルバイトで生計を立てた。「お金を稼いでこそ、プロのファイター」と記者会見などで派手な言動を繰り返し、自分を売り込んだ。知名度が上がり、自らの営業も奏功し、スポンサーを獲得。10年たってようやく軌道に乗った。

16年のK-1移籍後は“アイドルファイター”を目指していたが、武尊がいたことで「同じやつが2人いても面白くない」と断念。強さを見せながら一方で「金もうけ」を全面に出す、強気な発言を連発しながら、現在の地位まで上り詰めた。

昨年RIZINに移籍。格闘技界を盛り上げることが、お世話になったK-1への恩返しと考える。これまで那須川、五味と戦うも連敗。「ハングリー精神を取り戻した」と意識を変えた。「半年間必死にやってきた。ファンを喜ばせるには結果が必要」。今大会お金以上に執着しているベルトを獲得し、ファンの心をつかむ。