「カネロ」の愛称で人気のあるボクシング3団体(WBAスーパー、WBC、WBO)統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(31=メキシコ)が、元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(55)も立ち会う「厳戒体制」のもと、因縁のIBF世界同級王者カレブ・プラント(29=米国)とのフェースオフ(にらみ合い)に臨んだ。

6日(日本時間7日)に米ラスベガスで控えるプラントとの4団体王座統一戦を控え、5日(日本時間6日)には同地で前日計量に臨んだ。167ポンド(約75・7キロ)でパスしたプラントに対し、アルバレスは168ポンド(約76・2キロ)でクリアした。

計量後の壇上では、司会者を挟み、今週に入って初めての両王者によるフェースオフも行われた。保持するベルトを持って言葉を交わしながらにらみ合った。両者は9月にカード発表会見で同席した際のフェースオフで突き飛ばし、ビンタも飛び交う大乱闘を展開。プラントのサングラスが吹っ飛び、右目下を裂傷した。今週に入っても両王者間にはピリピリムードが漂い、記者会見でもフェースオフはなかった。今回は最悪の事態を想定し、タイソンの監督下で緊張感あふれるフェースオフが実現した。

アルバレスは「ファンの祝福や期待に私はやる気を感じている。それは多くのことを意味する」と静かに燃えた。フェースオフ後には立ち会ったタイソンと握手を交わし「偉大なファイター、レジェンドだ。いつか私は彼のようになるだろう。それは多くのことを意味する」と刺激を受けた様子。対するプラントは「目の前に座るのは簡単。そこから立ち上がるのは簡単ではないことを覚えておくんだ。このために生まれてきた。これが運命」と挑発的な態度を取りながら気合を入れていた。

この勝者は全階級を通じて史上7人目、スーパーミドル級では初の4団体統一王者になる。