前RIZINバンタム級王者朝倉海(28=トライフォース赤坂)がGP制覇を“手土産”に海外に打って出る覚悟を示した。31日のRIZIN33大会(さいたまスーパーアリーナ)で日本GPバンタム級トーナメント準決勝、決勝に備え、16日にはオンラインで練習を公開した。まず準決勝では瀧沢謙太(27=フリー)と対戦する。

この日の公開練習で披露した1分30秒にわたるミット打ちでは、さらに鋭くなったキック技を何度もみせた。9月のGP2回戦で右拳骨折したことで「パンチ練習できないので、代わりに蹴りのミット打ちをやっていた。蹴りの練習はすごく時間が取れて向上しているので」と口にした。さらに長距離や中距離の走り込み、坂道ダッシュなど下半身強化や持久力アップも重ねてきたという。

トーナメント制覇には準決勝、決勝と1日2試合に臨むことになる。朝倉は「スパーリング数を増やしたり、連続で回したりしました。走り込みで体力をいつも以上につけています」と手応え十分。「けがの功名」で強化の幅を広げたことがGP制覇への効果となって表れそうだ。また00年シドニーオリンピック(五輪)レスリング・フリースタイル63キロ級代表で総合格闘家の宮田和幸氏(45)が主催するBRAVEジムで組み技や寝技の技術も強化している。

「すべてにおいて強くなっている」と自信を示す朝倉のGP制覇後の目標も明確だ。昨年から宣言しつづける通り「22年こそは海外挑戦です。海外での試合。タイミングはコンディション次第ですね」と米人気団体ベラトールなどへの参戦を見据えていた。