ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(32=志成)が31日、東京・大田区総合体育館で、同級6位福永亮次(35=角海老宝石)との4度目の防衛戦に臨むことが16日に発表された。3日にIBF世界同級王者ジェルウィン・アンカハス(29=フィリピン)との王座統一戦が政府による新規外国人入国禁止の影響で中止となっていたが、急転直下で10度目の大みそか決戦が決まった。一方、福永は世界初挑戦となる。

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恒例となっている井岡の大みそか決戦が急きょ復活した。当初、9度防衛中のIBF王者アンカハスとの王座統一戦が発表されていたが、政府による「オミクロン株」の水際対策で新規外国人入国の原則禁止となり、3日に中止が発表されていた。しかし区切りの10度目大みそかマッチでもあるため、井岡陣営はWBO6位に入る福永に標的を変更し、先週から交渉を進めていた。

もともと22年1月15日、東京・後楽園ホールで保持する日本、WBOアジア・パシフィック同級王座の防衛戦を控えていた福永も試合調整を進めていただけに好タイミングだったという。所属ジムを通じ、井岡はコロナ禍であることを踏まえ「このような時期に試合ができるのを感謝しております」と強い意気込みを示した。

アンカハス陣営とは近い将来に再び王座統一戦をセットすることで交渉を進めている一方で、同陣営は次戦で通常の10度目防衛戦を計画中。井岡もアンカハス戦前に1度、防衛戦に臨んでも支障がなくなった。さらに挑戦者福永はアンカハスと同じく身長168センチのサウスポー。結果的に「仮想アンカハス」として最高の対戦相手となる。

井岡は「大みそかに統一戦ができないのは残念ではありますが、決まったからには全力で臨み勝利し、次の試合につなげたいと思います」と必勝を誓った。

〇…身長168センチのサウスポーとなる挑戦者の福永は風貌が元6階級制覇王者パッキャオに似ていることからリトル・パッキャオと呼ばれる。15勝中14KOを誇る強打者で、昨年12月には日本、東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック同級王座を統一している実力者。世界挑戦の好機を待ち望んでいた35歳だ。22年1月15日に予定していた防衛戦を中止し“前倒し”調整する福永は「大みそかまでに完璧に仕上げます。人生をかけて、人生を変えます」と意気込みを示した。