GHCナショナル王者の船木誠勝(53)が3度目の防衛に成功した。

第7試合、ノア初参戦となる、WWEにも所属したサイモン・ゴッチ(39)の挑戦を受けた。その名前の通り、船木の師でもあるカール・ゴッチを想起させる、クラシカルなレスリングを得意する相手。「一瞬やばいなと思った」と、普段目にすることのない技の入り方に苦戦する場面もあった。それでも、スタンドでの打撃の応酬を制した船木。9分47秒、ツームストンパイルドライバー(墓石式脳天くい打ち)を突き刺すと、最後は、粘るゴッチをスリーパーホールドで締め上げ、タップアウトを奪った。

船木は22歳の時、藤原組で合計6カ月、カール・ゴッチに付ききりの猛特訓を受けた。大会前には「ゴッチという名前を聞くと、ピリッとなっちゃう。『苦しい』『きつい』『怖い』という言葉しか思い浮かばない。そんな自分の中のゴッチさんを、サイモンに伝えたい」と話していた。その言葉通り、自身を研究して臨んだ相手に対し、グラウンドでもスタンドでも試合をコントロール。王者の実力と貫禄を示した。

外国人との試合は2年ぶりだったという船木は、「体力が日本人と違うと実感しました」と汗を拭いながら振り返った。52歳になっても、プロレスへの探究心は尽きない。「外国人ファイターが来るならもっと違う相手とやりたい。パワーファイターとか、今までの自分のスタイル持った相手がいれば」。さらなる未知との遭遇を希望した。