プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が、ついに全階級を通じた「世界最強」ボクサーに選出された。
世界的にもっとも権威のある米老舗ボクシング専門誌ザ・リングが10日(日本時間11日)、階級を超越した最強ボクサーを決めるパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングなど各階級の最新順位を発表。井上が日本人史上初のPFP1位に選出された。これまで井上は2位が最高だった。ザ・リングは順位を決めるパネリスト(識者)9人の意見とともに井上を1位にした経緯を電子版で記述している。
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ザ・リングによると9人の識者の意見を合わせ、井上は5対4で1位になることが決まったという。「我々のほとんどは勝利を予測していたが、あのような一方的な勝利を予見した人はいなかった。ドネアは39歳ながらも19年11月に井上に敗れた後は無敗の王者2人(WBC王者ウバーリ、WBC暫定王者ガバリョ)をKO撃破しているからだ」とあらためてドネア戦の衝撃の高さを説明した。
この経緯を元にザ・リングのトム・グレイ氏は「個人的な見解は井上のドネア戦勝利でPFP1位を獲得した」と説明。同誌の長年貢献してきたというアンソン・ウェイン・ライト氏も「ドネアに圧勝した人は誰もいない。井上の1位を希望。(1位から2位になった3団体統一ヘビー級王者)ウシクが(前王者)ジョシュアとの再戦で印象的だった場合、彼が1位に戻る可能性はある。(WBO世界ウエルター級王者)クロフォード(WBAスーパー、IBF王者)-スペンスJr.が決まり、勝った方が1位になる場合もあるものの、今は井上が1位が好みだ」とコメントした。
日本人スポーツライター杉浦大介氏も井上を支持。「井上が今のところ世界一のファイターだと思わないのは難しい。ここでアンソンとトムを支持します」。編集者ディエゴ・モレラ氏も「井上が1位に昇格することをサポートします」と賛同したという。
一方で1位だったウシクを支持する声も根強かったという。パネリストの1人、ミッチェル・モンテロ氏は「井上は間違いなく素晴らしいファイターだが、彼の戦いぶりはウシクの戦績を上回るものではない。少なくとも、まだだ」と解説。マーティン・マルカヘイ氏、アダム・アブラモビッチ氏、トリス・ディクソン氏らもウシク1位を支持した。
井上とウシクのどちらを1位にするか-。この時点で4対4と割れたが、最後に同誌ダグラス・フィッシャー編集長が持論を展開。「井上のパフォーマンスはセンセーショナルだと思った。彼は完璧な攻撃、ボクシングパワーをみせた。私は彼が少なくとも1つ順位を上げることに賛成だ(2位復帰)。実際、井上とウシクのどちらか」と説明した上で、井上を支持。日本人初のPFP1位が誕生することに至ったという。

