元サッカー日本代表FWカズの次男で総合格闘家の三浦孝太(20=BRAVE)は、タイでも大人気だった。

19日、タイ・ラジャダムナンスタジアムにて元K-1ワールドMAX王者ブアカーオ・パンチャメーク(40=タイ、旧ポー・プラムック)とキックボクシング形式のエキシビションマッチ3分3回で対戦した。3回途中に試合をストップさせられるなど、手も足も出なかった。

それでも、ムエタイの殿堂に詰めかけた8000人近くのファンからは、惜しみのない拍手が注がれた。登場前にスクリーンに写真が映し出されるだけで大歓声。試合開始前には「コウタ、コウタ」の合唱も沸き起こった。三浦が打撃を与えられると、ファンは顔を覆った。

当日は、会場の入り口前に、写真撮影用の三浦の顔ハメパネルや全身パネルなどが出現した。大会チケットの最高額は、6000バーツ(約2万3000円)。現地の格闘技興行としては破格だが、すぐに完売したという。

三浦は昨年大みそかにプロデビューしたばかりだが、現地での人気がレジェンドとのマッチメークを後押しした。きっかけは1本の動画。デビュー戦後に、ファンがTikTok(ティックトック)にアップした動画が東南アジアで大ヒットし、タイやベトナムなどで人気が爆発した。

インスタグラムのフォロワーは約69万人だが、半数以上が東南アジアのファン。中には三浦が格闘家ということを知らないフォロワーもいる。「日いづる国から来たイケメン」として大好評で、本人も「自分で言うのはなんですが…、ルックスで(支持されている)」と認めていた。

大会前からタイの街路でも顔写真が電光掲示板で大きく掲出された。現地メディアによると、「コウタ」といえば誰でも知っている存在。老若男女問わず大人気だという。

15日にタイ・スワンナプーム空港に到着した際は、夜中ながら若い女性を中心とする数多くのファンに出迎えを受けた。現地ファンからは、ブアカーオへ「彼の顔を殴らないでください」というコメントも寄せられていた。

世界的スター級の待遇を受けた三浦。だが、目標はあくまでも、総合格闘技のRIZINで活躍することだ。「そこを期待してもらいたい」。プロ2戦目となる次戦9月25日では、異国で吸収した唯一無二の経験を、主戦場のリングに還元していく。