日本ウエルター級2位の坂井祥紀(32=横浜光)が3度目のタイトル挑戦で新王者となった。同級1位重田裕紀(32=ワタナベ)との同級王座決定戦に臨み、2回2分0秒、TKO勝利でベルトを獲得。サウスポーの重田に対し、2回、右強打から一気にラッシュを仕掛けてレフェリーストップに追い込んだ。

両者は昨年10月に行われた日本同級王座挑戦者決定戦で引き分けていた。過去2戦は1勝1分けだった坂井だが「(重田は)やはり強かった。勝てて良かった。今回ばかりは普通にKOで勝ちたかった。横浜光、サポートしてくれたみんなに感謝したい。本当に強くて試合はこわかったが、何としても勝ちたかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

19歳で単身メキシコに渡ってプロデビューした坂井は19年秋に帰国するまで、メキシコや米国などで36戦した戦績を持つ「逆輸入ボクサー」だった。21年4月、日本同級王座、同年12月には東洋太平洋&WBOアジア・パシフィック同級両王座に挑戦したものの、いずれも負けていた。坂井は「もっと早くタイトル取るつもりでしたが、こんなにかかってしまった。ここからがスタート」と日本王座ベルトを腰に巻きながら気持ちを引き締めていた。