日本選手の現役最年長記録を更新し続ける同級1位の45歳、野中悠樹(渥美)の戴冠はならなかった。同級2位帝尊(たいそん)康輝(30=一力)と対戦。10ラウンドを戦い抜いたが、ジャッジは97-93が2人、98-92と3-0で帝尊を支持した。

プロ50戦目の節目を飾れなかった野中は「相手のジャブを不用意にもらってしまった。それがポイントに響いたのかと思う。効いたパンチはなかったが、ジャブをさばけなかった。その印象が悪かったのかもしれない」と振り返った。

昨年7月にWBOアジアパシフィック・ミドル級王座3度目の防衛に失敗した。2階級下、日本ウエルター級7位だった能嶋宏弥(薬師寺)に6回1分1秒TKO負けでベルトを失った。それでも退く選択肢を打ち消し、再起に挑んだ。

「前回のKO負けは払拭できたかなと思う」

今後について「整理できていないので、先のことは明言できない。KO負けならダメージも負ってダメかなと思っていたが、何とか最後までやりきれた。動き、体調はよかったし年齢的なことは関係ない」と明言は避けた。

今回の試合を「ボクシングの神様が最後にくれたギフトかもしれないし、『もっと頑張れ』という激励かもしれない」と表現。戦い続ける意欲だけは、衰えていない。