元WBO世界ミニマム級王者の谷口将隆(29=ワタナベ)があご骨折しながらライトフライ級初戦となった再起戦を飾った。プロ61戦目となる元東洋太平洋同級王者堀川謙一(43=三迫)との同級10回戦に臨み、2-0(96-92×2、95-95)の判定勝利。2度目の防衛戦だった今年1月、メルビン・ジェルサエム(フィリピン)に2回TKOで敗れて王座陥落して以来、約7カ月ぶりの再起戦だった。

世界2階級制覇を見据えたライトフライ級転向初戦で、同級のトップを走ってきた43歳の堀川との対戦だった。「1回からは大分、良い手応えだった」と左ボディーを中心に組み立てたが、中盤となる5回に堀川のアッパーを浴びた。あごを骨折し「すべてが狂いました」と振り返りながらも、左ストレート、左ボディー、右アッパーと多彩な攻撃を繰り出し続け、競り勝った。

何とか日本、東洋太平洋、WBOアジア・パシフィックと多くの王座を獲得してきた同級のベテランを下し「勝ち切れて生き残ったのが何よりも良かった」と安堵(あんど)の表情。現在、同級の世界戦線はWBAスーパーとWBC王座を保持する寺地拳四朗(31=BMB)を筆頭に、元WBC王者矢吹正道(31=緑)、世界3団体で上位ランクに入る岩田翔吉(27=帝拳)と日本勢だけでも選手層が厚い。「そこに食い込んでいけるように頑張りたい」と意気込んでいた谷口が同級での第一歩を踏み出した。