ボクシングWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(30=大橋)が26日、東京・有明アリーナで行われるWBAスーパー、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)との2階級4団体王座統一戦に臨む。ボクシング元世界6階級制覇王者でフィリピンの英雄マニー・パッキャオ(45)の“側近”で、かつてはタパレスのトレーナーを務めた経験を持つ男が弱点を指摘した。

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パッキャオの幼なじみで約20年間トレーナーを務めたボボイ・フェルナンデス氏(49)は今月来日し、元世界2階級制覇王者亀田和毅(32=TMK)を指導した。大阪に滞在中に井上-タパレス戦に言及。タパレスのトレーナーも、かつて2年間務めていたという同氏は、3つの根拠を挙げて井上勝利を予想した。

<1>ボディーに弱点

フェルナンデス氏 タパレスはとにかく腹が強くない。打たれるとダメージを相当に負う。フィリピンで陣営に聞いた作戦は「(ゴングが鳴った)最初からとにかくガンガンにいけ」と。井上が狙うとすればボディーしかない。それを相手が立ち上がりの様子を見にきている段階で積極的にいき、攻略できれば勝機もあるか。中途半端になればフック一撃で倒される。

<2>練習パートナー不足

フェルナンデス氏 フィリピンで何度か練習を見に行ったが、スパーリング相手のレベルが高くなかった。これで練習になるのかと。その後、修正して上げてきたかもしれないが(練習を)見た時点では不安になった。

<3>パッキャオ不在

フェルナンデス氏 タパレスが勝つ可能性があれば、間違いなくパッキャオが早めに日本へ来て、タパレスをサポートするはず。(パッキャオ運営の)MPプロモーション所属の選手だしね。ずっと知っている選手だし、本来であれば必死に支えているはずなんだ。

現在、タパレスはエルネル・フォンタニーニャ・トレーナーに指導を受けている。21年7月から米国に練習拠点を移し、夫人、子供ら家族と離れて暮らし、ボクシングに集中。同年12月には元東洋太平洋同級王者勅使河原弘晶を計3度のダウンを奪って2回KO撃破し、今年3月に無敗だった統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)も下した。大きく成長していることも間違いない。同氏の発言は驚きだが、同じフィリピン人だけに重みはある。本音か、日本へのリップサービスか。その答えは今夜、明らかとなる。【実藤健一】

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