IBF世界スーパーライト級10位の平岡アンディ(27=大橋)が1年ぶりの試合で圧勝した。

セバスチャン・ディアス(30=メキシコ)を相手に1回からダウンを奪うと、その後も力強い左右のパンチを打ち込み続け、5回1分7秒レフェリーストップによるTKO勝ち。これで9試合連続KO勝利で、勝負の2024年へ向け、最高の形で1年を締めくくった。

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試合後のインタビューだった。平岡は「ひとつちょっと英語で言いたいことがあるんですけど」と自ら切り出すと、カメラに向かってすごんだ。「Any Champion at 140, I’m coming for you.I’m coming.(140ポンドのチャンピオンたち、待ってろよ。オレが倒しに行くぞ)」。

スーパーライト級(140ポンド)にはいずれも世界2階級制覇王者のデビン・ヘイニー、テオフィモ・ロペスや、元統一王者ジョシュ・テイラーら強豪がひしめく。それでも平岡は「世界が注目する統一戦なのでチャンスだと思って英語で発信させてもらいました」と“宣戦布告”した。

試合では1回半ばに右フックでいきなりダウンを奪った。2回には「ダメージはなかったですけど、気を抜いちゃって」という良い右フックを浴びたが、その後は一方的に攻め続けた。4回にはロープ際でパンチを集め、5回にレフェリーが試合を止めた。“世界前哨戦”で、連続KO勝利を9試合に伸ばした。父ジャスティス・トレーナーは「右フックは一番練習した。練習した通りに当たって、倒れたのはうれしい」と息子を評価した。

昨年12月にジュン・ミンホ(韓国)に8回TKO勝ち。22戦全勝(17KO)とレコードを伸ばして世界を見据えてきた。6月にはWBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王座を返上して世界戦の準備に入ったが、タイミングが合わなかった。

それでも今年3月には1カ月間、父のルーツでもあるガーナで合宿。世界2階級制覇王者のアズマー・ネルソン氏の自宅兼ジムで練習を積んだ。心身を磨いてきた成果がこの日の試合に表れた。【千葉修宏】

◆平岡(ひらおか)アンディ 1996年(平8)8月8日、横浜市生まれ。元アマボクサーでガーナ人の父ジャスティス氏の勧めで4歳からボクシングを開始。中学から陸上中距離で活躍し、横浜高時代には国体出場の経験も。高校時代の13年2月に花形ジムからプロデビューし、4回TKO勝ち。14年には東日本ライト級新人王を獲得。15年からは米国で修行した後、17年から大橋ジムに移籍。同年11月には初代日本ユース・スーパーライト級王者に。21年10月、日本、WBOアジア・パシフィック同級王座を獲得。身長180センチの左ボクサーファイター。

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