ボクシングWBA世界スーパーフライ級王者井岡一翔(34=志成)が挑戦者からの弱点指摘を一蹴した。

31日、東京・大田区総合体育館で同級6位ホスベル・ペレス(28=ベネズエラ)との初防衛戦を控え、29日に都内で調印式に出席し、初対面の挑戦者と約15秒間、フェースオフ(にらみ合い)を展開。挑戦者サイドからの“挑発”に対し、自身の「進化」を強調し、約3年ぶりのKO勝利を目指して集中力を研ぎ澄ませた。

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言うべきところは言う。井岡は冷静な態度で「応戦」した。初対面となったペレスからは前日28日に弱点を指摘された。「(井岡は)正面から打ち合いは好きではない。彼の得意な左を対策し、打ち合う」と言えば、ペレス担当のホセ・アルフレド・カバジェロ・トレーナーも「年齢が34歳であり、バックステップで距離を取ることも弱点」と“挑発”を受けた。この発言を受け、井岡は言った。

「相手陣営が自分のことを研究するのは当たり前。それ(指摘)が真意なのかも分からない。準備してきたことを遂行するだけ。(相手の)言ったことを聞いて思うことはない」

さらに自身の“進化”を強調した。「毎試合、現状維持ではなく、自分とチームと向き合って成長を求めてやってきている。前回よりも成長した姿をみせたい」と静かに燃えた。米ラスベガスから来日合流したキューバ人トレーナー、イスマエル・サラス氏も「私は井岡と何年も一緒に行動し、毎年毎年、強さは証明されている。13年間も王者であり、階級が違えば王者であり続けている」と太鼓判を押した。

相手トレーナーのカバジェロ氏は井岡が統一戦を熱望するWBC世界同級王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ)も指導している。エストラーダの関係者の目の前で約3年ぶりのKO撃破を狙う。「多くの世界戦を戦ってきたが、一戦一戦が重要。必ず良い結果を残したい」。12度目の大みそか決戦に向け、気を引き締めた。【藤中栄二】