プロボクシングWBA世界バンタム級王者井上拓真(28=大橋)が4団体統一スーパーバンタム級王者の兄尚弥(30=大橋)との兄弟同時世界戦実現を見据え、元V9王者撃破に臨む。

24日に東京・両国国技館で開催されるプライムビデオプレゼンツ・ライブボクシング7大会で同級9位の元IBF世界スーパーフライ級王者ジェルウイン・アンカハス(32=フィリピン)との初防衛戦に臨む。

23日には東京ドームホテルで前日計量に出席。アンカハスとともに100グラム少ない53・4キロでクリアし「メチャクチャ順調です」とリラックスした表情を浮かべた。

IBF世界スーパーフライ級王者時代、約6年間で9度の防衛に成功し、WBA世界同級王者井岡一翔(志成)の対抗王者として知られていたアンカハス。技術、経験ともに豊富な強豪と拳を交える。「(アンカハスが)少し減量がきつそうかなと思ったが、油断することなく。メチャクチャ楽しみ。相手が強い方がワクワク感があるので。何もさせないのが理想。元世界王者に何もさせず、パーフェクトで勝ちたいというのがある」と自信の笑顔を浮かべた。

「(減量)お疲れ」と連絡があったという兄尚弥は5月6日、東京ドームでWBC世界同級1位の元2階級制覇王者ルイス・ネリ(29=メキシコ)との防衛戦に臨むことで調整中。所属ジム大橋秀行会長(58)も「きっちり発表したい。来月中には整う」と正式決定間近だ。同会長からは19年11月以来となる井上兄弟の同時世界戦興行を組む意向も示されている。

5・6東京ドームが正式に決まった後、兄弟同時世界戦を実現するためには、まず24日の初防衛戦をクリアすることが不可欠となる。井上は「可能であれば(出たい)。それだけの大舞台なのでやりたい気持ちはある。そのためにも負けられない? そうですね」と静かに燃えていた。