WBC女子世界ミニフライ級4位の藤岡奈穂子(35=竹原&畑山)が、前代未聞の公開練習で王者を幻惑した。9日、都内の所属ジムで2回のスパーリングを実施。12日の世界戦(後楽園ホール)で対戦する同級王者アナベル・オルティス(24=メキシコ)の電撃視察を受ける中、ジムの男性マネジャーを圧倒するインファイトで「KO」寸前まで追い込むなど、上々の仕上がりを披露した。

 世界戦前の練習は報道陣にのみ公開するのが通例で、対戦相手が直接視察するのは異例。王者の鋭い視線を浴びた藤岡は「初めての世界戦ですが、日本人相手より重圧は感じません」と余裕の笑みを浮かべた。オルティスも「試合の映像では足を使っていたけれど、今日はファイタータイプ。いろんな対応の仕方を準備したい」と警戒を強めた。元ソフトボールの内野手で、国体の出場経験もある藤岡。持ち味のパンチとスピードを王者に見せつけ「前哨戦」を制した。