08年北京五輪柔道100キロ超級金メダルの総合格闘家・石井慧(24=アイダッシュ)が31日の「元気ですか!!

 大晦日!!」(さいたまスーパーアリーナ)で旧PRIDEヘビー級王者・エメリヤーエンコ・ヒョードル(35=ロシア)と激突することが12日、明らかになった。約1年前から計画が進められてきた超ビッグカード。先月末、1度は交渉難航で消滅した待望の一戦だったが、両者の対戦希望によって電撃決定した。来年中の米総合格闘技UFC参戦を目指す石井にとっては、大きなアピールの場となる。今日13日にも正式発表される。

 総合格闘家転向から3年。石井が「60億分の1」と呼ばれた旧PRIDE最強ヘビー級王者と対戦する。関係者の間で約1年前から交渉を進めてきた待望の大みそか目玉カードがついに決定した。先月下旬、ヒョードル側の「大みそかは石井と対戦する」との発言を受け、石井も「対戦したい」と応じたビッグマッチだったが交渉は難航。先月末に1度は消滅したはずだったが、両者の対戦希望を受け、今月上旬から交渉が再開していた。米ロサンゼルスでヒョードル戦決定の一報を受けた石井は率直な気持ちを吐露した。

 石井

 素直に怖さもあり興奮もしている。不安もある。昨年のボクなら断っていましたけど、今は自分自身を変えたかった。やはり格闘家になるには相手を選んでいてはいけないと思った。今まで格闘家と試合はしましたが、格闘家にはなっていなかったような気がする。チャンスに片っ端からチャレンジしたい。

 今年の石井は苦難の連続だった。年明けはUFCのライバル団体だったストライクフォースに参戦決定したが、同団体がUFCに買収され、その影響で主戦場を失った。その後は「UFCに参戦するまで帰国しない」と米国で練習を続けてきたが、試合は9月にWEC(UFCが買収)の元ミドル級王者パウロ・フィリオ(ブラジル)と引き分けたのみ。実績を残していないため、UFCとの交渉は進まなかった。だが決定したヒョードル戦で実力を証明すれば、交渉が大きく前進することは濃厚だ。

 石井

 今年は試合はなかったけど良い1年だった。毎日、全力でやってきた。ハードな練習をして試合に備える。決心と最後まであきらめないということが重要だと思う。

 石井-ヒョードル戦決定を受け、地上波のテレビ中継も実現する。大みそかにスポーツ特番を組むTBSはWBC世界ミニマム級王者井岡一翔(22=井岡)の2度目の防衛戦を生中継することを決定済みだが、さらに石井-ヒョードル戦を中継することで最終調整に入った。石井はヒョードル戦で成長した姿を日本で示し、世界最高峰の舞台UFC参戦に向け、一気に突き進むことになる。