日刊スポーツが行った人気力士アンケート「第４回大相撲総選挙」は、大関稀勢の里（２８＝田子ノ浦）が４連覇を達成した。総数４万１７６４票のうち、４１４０票を獲得。日本出身力士の優勝と横綱誕生へ、変わらぬ期待の高さが票数につながった。

　今年も稀勢の里が「指定席」に就いた。大相撲人気を物語るように昨年の総票数を大きく上回り、若い女性ファンも増えた。若手力士も台頭した。それでも、その座は揺るがなかった。トロフィーを手にすると「そろそろ世代交代しないといけないんじゃないの」と、おどけてみせた。だがファンの期待を背負っている自覚があるからこそ、心からは喜べなかった。

　総選挙は敵なし。だが土俵では、夏場所で初優勝を照ノ富士にさらわれた。本場所中、モンゴルの大器に大関昇進の可能性を再燃させたのは、１２日目の対戦で敗れた稀勢の里だった。ファンからは「優勝し、横綱になってほしい」という声が多く「そういう声に応えられるように頑張りたい。そのためにも、準備ができていないと」と話した。

　この１年は優勝次点２度の一方、９勝どまりが３場所あった。悲願へ届かない現状を「とりこぼしが多いけど、それだけ１番に懸ける思いが強いんだと思う」（２０代女性）「メンタルが弱いと評されるけど、変化や引き技に頼らず真っ向勝負を貫いているからこそ」（４０代男性）と励ます声もあり「俺より熱いね。ありがたい。厳しい声もありますけど、それだけ見てくれているということ」と、気持ちを高ぶらせた。

　他にも「負けても負けても不屈の闘志で相撲道を進む姿勢が好き」（２０代女性）など、愚直な男に集まる視線は相変わらず。土俵でも圧倒する姿を、多くのファンが望んでいる。【桑原亮】

　◆投票方法　投票対象は夏場所番付の幕内力士。５月２５日から６月５日（はがきは６日必着分）まで、はがきと日刊スポーツのウェブサイトで投票を受け付けた。ウェブでは端末１つにつき１日１回、１回３人まで投票可能。はがきは１枚あたり３人まで投票可で、今年からはがきに限って１票あたり５倍で計算。ウェブとはがきの投票を合わせて順位を決めた。はがきが２０５３票（×５で１万２６５票分）、ウェブで３万１４９９票が集まった。