大相撲の山響部屋が25日、北の湖部屋の看板を掛け替えた。昨年九州場所中の北の湖前理事長(元横綱)の急逝にともない、部屋付きだった山響親方(元前頭巌雄)が、継承して12月7日から始動。前理事長の四十九日と初場所千秋楽を待って、部屋の力士ら関係者が見守る中、約30年続いた看板が下ろされた。見守った前理事長のとみ子夫人は「長い間、北の湖部屋をありがとうございました」と深々と頭を下げた。

 名残惜しさもあり、掛け替えの前には力士らが思い思いに記念撮影を行うなど感慨にふけった。幕内北太樹(33)は「やっぱり、寂しさはありますね。せめて定年までは続けてほしかった。たくさん教えてもらいたいこともありましたので」と心境を明かし「後輩もいますので、教えてもらったことを後輩に伝えていきたい」。山響親方も「身が引き締まる思い。北の湖親方がいつも言っていた『力士は四股』というのを伝えていく、自分の後の人にも伝えていってもらいたい」と話した。

 北の湖部屋の看板は稽古場に飾るという。「憎らしいほど強い」と言われた昭和の大横綱の意思は、受け継がれていく。