東幕下筆頭の小柳(23=時津風)が自らの誕生日に、東十両14枚目の富士東(29=玉ノ井)を押し出して3連敗から4連勝で勝ち越し、九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)での新十両昇進を確実にした。

 「良かったですね。絶対に引いたらやれると頭にあった。絶対に引かないと思った。どんな結果でも自分の相撲を取りきって終わりたいと。最高の相撲でした」と喜んだ。

 初日から3連敗したときは「本当にどうしたらいいか分からなくて、心の整理に時間がかかった」という。だが、そこで「まだ応援してくれる人がいる。恥ずかしい相撲は見せられないなと思った。勝ったら、負けたら、というのは考えなかった」と開き直れた。

 この日は、初日以来の十両の土俵。「若干、所作を間違えて、それで気が楽になった。『やっちゃったな』と」。心にゆとりが生まれて、自分の相撲をいかんなく発揮できた。「3連敗から立て直せたのはこれからの自信になる。うれしいより、ホッとしたというのが正直なところ」と笑った。

 今年の春場所、新設された三段目最下位格付け出しで初土俵を踏んだ。そこから4場所連続の勝ち越しで、関取の切符をつかんだ。「チャンスをもらってこの世界に入って、そのチャンスをしっかり生かしてモノにできた。(23歳の誕生日という)なんのめぐり合わせか分からないが、そういう日に決められて良かった」とうれしがった。