大相撲の平幕の貴ノ岩への暴力行為が発覚した横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が29日、宿舎を構える福岡・太宰府市の太宰府天満宮境内で、引退会見を行った。この日、日本相撲協会に引退届を提出。会見には、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も同席した。テレビカメラ約15台、スチルカメラ約30台、報道陣約150人が集まった。

 会見場に到着した伊勢ケ浜親方は最初に「本日、横綱日馬富士が引退届けを提出しました。日馬富士が今回の問題の責任を感じて引退したいということは、本人から早くから言われておりましたが、ファンのみなさんに相撲を楽しんでいただく場所の間、控えさせていただきました。私は日馬富士、横綱を16歳の少年の頃から見てきましたが、稽古に精進したのみならず社会貢献や、絵が上手で、本当に珍しいタイプのお相撲さんでした。酒癖悪いとか乱暴するとか、私自身見たことも聞いたかことありませんでした。なぜこのようなことになったのか、ただ不思議というか残念でなりません。これまで支えてくれたファンの皆様、相撲協会の皆様に心からお礼とおわびを申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」と涙を流しながらあいさつした。

 次に日馬富士が「このたび貴ノ岩関のケガをさせたことに対し、横綱としての責任を感じ、本日をもって引退をさせていただきます。国民の皆様、相撲ファンの皆様、相撲協会、伊勢ケ浜部屋の後援会の皆様、親方、おかみさんに大変迷惑をかけたこと、心から深くおわび申します」と頭を下げた。