日本相撲協会は「研修ウイーク」最終日の16日、東京・両国国技館で、箱根駅伝4連覇を達成した青学大の原晋監督(50)を講師に招き、全年寄、力士を対象にした研修会を行った。年寄と力士の2部構成で各1時間ずつ行われ、角界の暴力問題や未来などについて、原監督の独自の目線から指摘を受けた。貴乃花親方(元横綱)と弟子の十両貴ノ岩は欠席した。

 研修会冒頭で全力士は、原監督から強い口調で訴えられた。「魅力のあるスポーツ団体にしないと、若者が相撲界に入らない。イコール相撲団体が駄目になる」。昨年11月の元横綱日馬富士関の傷害事件発覚以来、角界で続く不祥事。原監督は研修会後、「本当の厳しさだったらトライする強い精神を持った若者は多い。理不尽な厳しさを若者は求めていません。そこに理屈があるかが問題だと思う」と、指導法についても言及した。

 そんな率直な意見を、力士らはしっかりと受け止めた。横綱白鵬は「鉄人の哲学。自分の考えていることと似ていることがあった」と言えば、大関高安は「勝負するのは自分1人と思っていた。組織作りの勉強になった」。八角理事長(元横綱北勝海)は「若い親方衆にも勉強になったと思う」と振り返り、「再発防止に全力で取り組んで参ります」とあらためて引き締めた。