静岡市で8日に開催された大相撲春巡業「富士山静岡場所」で力士が土俵上で小学生らに稽古を付ける「ちびっ子相撲」に、女子児童の参加が認められなかったことが明らかとなった12日、日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が東京・両国国技館で説明し、「昨年の9、10月ごろの話し合いで決まっていた。安全第一ですから」と既に決まっていたことだと明かした。

 これまで「ちびっ子相撲」には、女子児童が参加する場合が多々あった。それは「私が巡業副部長の時もやっていた」と重々承知。ただ「男の子でもケガをする時がある。つまずいて泣く子もいる。その中で女の子もやっていいのかと。万が一、顔とかをケガしたり、乗っかられてしまったら。何かが起きてしまってからでは遅い」と決断。「男の子と同じように接したい気持ちは十分あるけれども」と悩みに悩んだという。

 同場所の実行委員会には、同場所担当の荒磯親方(元前頭玉飛鳥)が4日に、女子児童を参加させないように電話で連絡した。その日は京都・舞鶴市で行われた春巡業で、土俵上で倒れた舞鶴市長の救命措置に当たった女性らに対し、土俵から下りるよう場内放送が流れて問題となっていた。だが「あくまでも土俵を女性に上げる、上げないという問題ではない。それは全然違うと私は強く言います」と、土俵上での女人禁制とは関係ないことを強調した。

 ただ、各巡業先への連絡は広報部ではなく、各担当の親方が口頭ですることになっているだけに「言葉が足りない部分はあったかもしれない」と反省した。