関脇経験者で東幕下14枚目の豊ノ島(34=時津風)が、今場所の2番相撲に登場。西幕下14枚目の貴健斗(22=貴乃花)を押し出しで破り、土つかずの2連勝とした。

 相手は、貴乃花部屋の次の関取候補と期待され、番付を自己最高位に上げて臨んでいる。年齢も一回り下で勢いのある貴健斗だが「昔から(相手は有望力士として)いいと思っていたから、もっと(年齢が)いっているのかと思った。ただ、いつもなら(相手の年齢を)意識するけど、年齢は全く考えずにいったのも良かった」。番付が全てのこの世界。同じ14枚目で、相手の力量や年の差など全く意識せず、土俵に集中したのが良かった。相手の突き放しで中に入れなかったが「差したかったけど、自分から手を出して前に圧力をかけたのが良かった。悪い時なら(距離を置いた相撲では)引いたり、いなしたりするけど、今日は下から下から取れた」と対応力もさえた。

 陥落した幕下で10場所目だが、連勝スタートは2回目。関取時代も、どちらかといえば“スロースターター”だったが、今場所はそうも言っていられない。7戦全勝なら関取に復帰できる幕下15枚目以内に番付を上げて臨むだけに、最後まで白星を積み重ねたいところだ。「もし6戦全勝で最後を迎えたら、前の日の夜は40度の熱が出ちゃうかもしれないなぁ~」と言って報道陣の笑いを誘う余裕も。相次ぐケガの不安も薄れ、精神的にも充実した実力者が、残り5番に全力を注ぐ。