2場所連続休場明けで11勝4敗だった大相撲夏場所千秋楽翌日の5月28日から、故郷モンゴルに帰国していた横綱白鵬(33=宮城野)が2日、成田空港に再来日した。

 4月に76歳で死去した父ジジド・ムンフバトさんに優勝報告こそできなかったが、四十九日にあたるのが夏場所千秋楽の5月27日。「それ(四十九日)も無事、終わったし、それまで(喪に服す意味で)外に出られない状態だった母さんも、やっと出られるようになった。また『よし、頑張ろう』という1つの区切りがついた」と穏やかな表情で話した。

 モンゴル滞在中には、自分が生まれた病院に、出生時以来、33年ぶりに訪れたという。また、恵まれない子供たちの施設を訪問。「そこで働いている人や患者さんを喜ばせてあげた。オヤジの仲間ともたくさん会ったりした」と心の英気を養った様子。そこでは「(いつまでも)悲しんでいたりすると自分が駄目になる。(天国に)旅立った人もいいように思わないよ」などと声を懸けられ「いろいろな考え方があるのかなと思った」という。

 復帰の夏場所は「厳しい場所だったけど収穫、得た物がたくさんあった。(心身の状態から)出られるか出られないか分からない中で、5月場所は頑張ったんでね」と精いっぱいの結果だったと認識。「次は暑さが目に見えない敵になるけど名古屋の皆さんに、いい報告をしたい」と大相撲名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)に目を向けた。帰国中に大関昇進が正式決定した栃ノ心(30=春日野)についても「これでまた頑張るぞという(闘争心に)火が付きますね。今までもそうだったし」と新たな刺激材料にするつもりだ。