6戦全勝同士による幕下の優勝争いは、東筆頭の白鷹山(23=高田川)が、西49枚目の貴公俊(21=貴乃花)を寄り切りで破り、初の各段Vとなる幕下優勝を決めた。

 立ち合いで当たり、相手に左を差された。そこは「甘かった」と頭をよぎったが、迷いはなく「つかんだ手(右上手)を離さず、終始、攻められたのが良かった。素直にうれしい」と笑った。

 既に勝ち越しを決めた時点で、1場所での十両返り咲きは決定的だったが、前日は優勝を目の前に「きのうから緊張しました。(起きてから)『今日が初日なんだ』と(言い聞かせて)」と切り替えると「落ち着いて相撲が取れた」と言う。

 先場所は念願の関取の座をつかんだが、5勝10敗と負け越し1場所で幕下に陥落。「俺は強いんだ、俺は十両で戦えるんだ、と甘い気持ちがあった。その伸びた鼻を神さまがへし折ってくれた」と目覚めたという。心機一転、稽古に取り組み「白鷹山は止まらない相撲を取るんだ、と言われるのが1つの夢」と攻めの姿勢を貫いた。来場所は再び十両の土俵へ。「何番で十両に残れる、何番で勝ち越し…ということは一切、考えずに下から下から当たって自分の相撲を取ります」と既に9月の秋場所に目を向けていた。