復帰3場所目の貴ノ岩(28=貴乃花)が、13年以来2度目の十両優勝を果たした。本割の旭秀鵬戦で敗れ、2敗で並んだ隆の勝との優勝決定戦で、相手の押しに負けず引き落としで勝った。「肩の力を抜いて思い切りやれた」と胸をなで下ろした。29日から始まる夏巡業にも、昨年10月の秋巡業以来の参加予定だ。

 昨年10月に元横綱日馬富士関に酒席で暴行を受け、九州場所と初場所を休場した。相撲協会からの特別措置で、春場所は十両最下位格に据え置かれた。春場所は8勝7敗。夏場所は11勝4敗と、本来の状態へ上げてきた。

 休場以前から現在の体重の増減は2~3キロで「(休場前から状態は)ほとんど変わらない。場所前の稽古をしっかりやれた証拠」と、胸を張った。師匠の元横綱貴乃花親方は「結果は良かった」とうなずく一方で「以前の力強さは戻っていない。70%くらいですかね。28歳といい年なので今までにない力強さが必要」と注文を出した。

 秋場所で5場所ぶりの幕内復帰が確実となった。「基本の稽古を心掛けてきた。1枚でも上を目指して精進し、次は三役を目指して頑張る」と意気込んだ。【佐藤礼征】