大相撲夏場所で初優勝した前頭朝乃山(25=高砂)が16日、出身の富山市で優勝パレードを行い、約2万5000人もの観衆が駆けつけた。

富山県庁を出発、到着する約1・5キロのコースで、ほぼ同じコース、距離でパレードした、16年リオデジャネイロ五輪金メダルのレスリング女子登坂絵莉、柔道女子田知本遥の2万2000人を約3000人上回り、地元での盛り上がりをあらためて示した格好となった。

パレード後、これを知った朝乃山は「ヨッシャー」と、笑顔を見せた。富山商高相撲部時代の元監督で、一昨年に亡くなった故浦山英樹さんから「富山のスーパースターになりなさい」との遺言を託されていただけに、喜びもひとしおの様子だった。

パレード後には場所を移し、富山市内のホテルで富山県、富山市、朝乃山富山後援会による合同贈呈式に参加した。

富山県スポーツ特別栄誉賞を授与した富山県の石井隆一知事からは、夏場所千秋楽の表彰式で、通常の賜杯や総理大臣杯に加え、トランプ米大統領から直接、米国大統領杯を受け取ったことについて「まさに空前の偉業を成し遂げた」と絶賛された。

続けて「早く横綱、大関になっていただきたい」と期待の声を掛けられた。朝乃山は「上にいって活躍したら、こういうイベントも増えてくると思うけど、それを乗り越えないと」と、うれしい悲鳴を上げ、今後も多忙な日々を歓迎していた。