現役最年長関取で西十両8枚目の豊ノ島(36=時津風)が、再び白星を先行させた。東西の8枚目同士の旭秀鵬(31=友綱)と対戦。

もろ差し狙いで右を差しながら前に出て、相手が嫌いながら回り込もうとするところを、なおも休まず前進。左ものぞかせ浅いながらも二本差しの状態から、回り込む相手を右の外掛けで崩し、それでも勝負を決められないとみるや今度は左から得意の肩透かしと攻め続ける。最後は防戦一方の土俵中央から上体だけで突っ込もうとする旭秀鵬を、土俵際ながら余裕をもってはたきこんだ。2勝1敗で初日に勝って以来の白星先行となった。

攻勢一方の相撲を「二本入ってだいぶ、てこずったね。もっといい時は、自分から足を出して間合いを詰めながら出るのがベスト。外掛けも、あれで決まったと思ったんだけどね」と話す言葉とは裏腹に、笑みをたたえながら振り返った。最後の勝負どころも「『落ちろ、落ちろ』って、必死になってはたいた」と笑いながら話した。

痛めたアキレス腱(けん)が心配される右足も「あれだけ動けたから大丈夫」と不安は薄れつつある。ただ、その右足も含め体のケアには注意を払っている。2年ぶりの関取復帰を決め11勝4敗だった昨年のこの九州場所は、勝っては験担ぎ、負けては験直しと理由をこじつけては? 場所から部屋へ戻る途中でラーメンを食べていた。それも、わずか1年だけだが“暴食”は自然と控えるようになったという。「35歳から36歳、たった1年だけど、大きな違いだね。夕方にラーメンなんか食べられなくなっちゃった。夜が食べられなくなるし、もともと腹は弱いからね」。ラーメンを楽しみにしている、若い伸び盛りの付け人には食べさせて「オレは店の外で待つかな」と笑いながら場所を引き揚げた。