関取復帰を目指す大相撲の幕下千代の国(29=九重)が、地元の三重・伊賀市に貢献した。

社会福祉法人伊賀市社会福祉協議会で常務理事を務める平井俊圭さんが12日、電話取材に応じ、千代の国からマスク3000枚の寄付を受けたことを明かした。平井さんは「このようなことは本当にありがたいこと。感謝しています」と喜びの声を上げた。

平井さんによると5月28日に、同所を訪れた千代の国の家族からマスク3000枚の寄付を受けたという。千代の国が直接訪れた訳ではないが家族から「千代の国からです」と言われ、マスクが入った大きな段ボールを2箱ほど手渡された。伊賀市社会福祉協議会は、同市内6カ所でデイサービスセンターを展開する他、職員が高齢者の自宅を訪問して介護支援を行うなどしており、寄付されたマスクはその際に有効活用している。そして11日に、千代の国の家族に感謝状を届けたという。

平井さんは「地元の人はみんな千代の国さんを応援している。そうした中でマスクを頂いてみんな喜んでいる」と声を弾ませた。デイサービスセンター内では、本場所開催中は必ず大相撲中継を流しているという。「地元力士に愛着があるファンが多い。6カ所あるデイサービスセンターの中の1つは、特に千代の国さんを熱狂的に応援している所もあるぐらいです」と話すなど、地域に相撲が根付いている。

昨年初場所での左膝複合靱帯(じんたい)損傷などにより番付を幕下に落とした千代の国は、関取復帰へ奮闘している。平井さんは「ケガなどもあって大変でしょうけど、これからもぜひとも頑張ってもらいたい。そして、いつか私たちのところに実際に来てもらいたいですね」と凱旋(がいせん)を期待した。