大関朝乃山(26=高砂)が、小結隠岐の海(35=八角)を下して勝ち越しを決めた。立ち合いすぐに左上手を取り、右を差して上手投げで転がした。2日目から取材に応じてこなかったが、この日は取材に応じ「しっかり体が動いている。どっしりとした相撲が自分の相撲」と相撲内容を振り返った。

横綱不在の場所で、まさかの初日から3連敗。周囲からの優勝への期待も高かっただけに「ショックでした。休場したいぐらいでした」と、どん底気分を味わったという。しかし、同時に「追い詰められたらやるしかないと思った。目の前の一番に集中してやろうという気持ちで4日目からいった」とふっきれたという。そして4日目に初白星を挙げ、肩の力が一気に抜けた。そこから8連勝としたが「大関が勝ち越すのは当たり前」と浮かれる様子はなかった。

3敗を守り、2敗の大関貴景勝、関脇正代、平幕の若隆景、翔猿を追いかける。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、初日から2連敗以上した優勝力士はいない。しかし、貴景勝と正代とは直接対決を控えるだけに、逆転優勝の可能性はある。「自分は3敗。先のことは考えずに自分の相撲を取りたい。今日は今日、明日は明日で切り替えたい」と目の前の一番に集中する。