現役最年長50歳、東序ノ口9枚目の華吹(はなかぜ、立浪)が勝ち越しを決めた。西序ノ口11枚目の桜(34=高田川)との対戦。立浪、高田川、両部屋のちゃんこ長同士の対決となったが、華吹が制した。立ち合いから左四つ、上手投げで崩し、最後ははたき込みで料理した。

華吹は昨年5月28日に50歳になってから4場所目で初の勝ち越し。50歳以上の力士が勝ち越すのは、1905年(明治38年)5月の若木野以来116年ぶりになる。

師匠の立浪親方(元小結旭豊)は、華吹の偉業を「先にネットニュースを見て知りました」と笑った。4番相撲で3勝1敗とし、勝ち越しに王手をかけていた華吹。5番相撲で負けたが、立浪親方は声を掛けずに見守った。「部屋で顔を合わせることはあるけど特に声を掛けることはしませんでした。本人なりに一生懸命やっていますから」。いくら弟子とは言え、年齢は親方の2歳下。ベテランに対して多くは語らない。

本来なら、華吹は昨年にも引退する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、就職先の受け入れ態勢が整わなかった。それは今も変わらず、新型コロナが落ち着き、受け入れ体勢が整うのを待っている。そんな中での華吹の節目の勝利に、立浪親方は「ここまできたらいいんじゃない。すごいことでしょう。ほめてやってよ」と穏やかな口調で話した。