大相撲秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)に向けた全4日間の合同稽古3日目が25日、同所の相撲教習所で行われ、名古屋場所で45度目の優勝を果たした横綱白鵬(36=宮城野)がこの日から合流した。

相撲は取らずに基礎運動を中心に汗を流した。ぶつかり稽古では平幕の隆の勝と、十両魁勝に胸を出して胸は真っ赤に。後半3日目からの参加となった理由については「ちょっと体をつくってからというかね。まだ番付発表(30日)前ですからね」と説明。古傷の右膝の状態については「日によりますね。良くなったり悪くなったり」と話した。

6場所連続休場明けとなった名古屋場所では、不安を抱える右膝の状態が懸念されたが、全勝優勝で史上最多を更新する45度目の優勝を飾った。千秋楽で対戦した照ノ富士は、場所後に第73代横綱に昇進。来場所は春場所以来3場所ぶりに、東西の横綱がそろう。

白鵬も大きな刺激を受けているようで「なんといっても新横綱がいるわけですからね。まあすごいなとは思いますけどね。序二段からだもんね。新しいライバルというか、そういう力ができましたんでね。頑張りたいですね。日馬富士関、鶴竜関、稀勢の里関…刺激をもらっていましたからね」と笑みを浮かべた。

一方で名古屋場所では荒々しい取り口や、土俵態度で議論を呼んだ。14日目の大関正代戦では仕切り線から遠ざかった立ち合いを見せると、千秋楽の照ノ富士戦では肘打ちともとれる右かち上げやガッツポーズをした。横綱審議委員会(横審)の山内昌之委員からは「14(日目の正代戦)、15(千秋楽の照ノ富士戦)はもうあり得ない。ほとんど最低レベルの相撲」と酷評されており、横綱として行動を改善すべきとの意見が出ている。

この日は稽古内容に関する質問が終わると「先場所後に横審の方からさまざまな意見があったが…」と記者から問われたが、協会広報部が「このあたりで大丈夫ですかね」と遮り、取材は終了した。結果的に、土俵外の問題については言及せず、相撲教習所を引き揚げた。