東十両5枚目阿炎(27=錣山)が十両優勝を果たした。西十両10枚目錦木(31=伊勢ノ海)を押し出しで下して2敗を死守。その後の一番で、1差としていた錦富士が3敗目を喫したため十両優勝が決まった。

阿炎は、立ち合いから回転の効いた突き押しで錦木を攻め立てて一気に押し出した。「立ち合いからしっかり当たれた。相手も見えていたのでよかった。錦木関には土俵際でいなされて負けることが多かったので」と振り返った。

12勝目を挙げ、昨年秋場所以来の再入幕を確実としている。しかし、今は「相撲に集中している。そういうのは全部相撲が終わってから考えたい」と千秋楽の一番を見据えた。

昨年7月場所中の、日本相撲協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドライン違反による出場停止処分で、幕内から幕下まで番付を落とした。そこから再起し、一気に駆け戻ってきた。「応援してくださる皆さんに喜んでもらえることを意識している」と話していた。