結びの一番は、行司軍配差し違えで横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が辛勝の2勝目を挙げた。もっとも土俵際で宇良(29=木瀬)に、肩透かしから逆転の黒星を喫する寸前だった。横綱の心理を、電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は読み解いた。
土俵下でうずくまる石浦、見つめる琴ノ若、若元春は鼻血出る激しい相撲…/春場所3日目>>
向正面まで攻め込みながら、土俵伝いに左に回り込む宇良が、体を開きながら起死回生の肩透かし。最後の詰めで照ノ富士は、右足を踏み越してしまった。この右足の踏み込みと、宇良の右足かかとが土俵の外に出るのがほぼ同時。立行司・式守伊之助は宇良に軍配をあげたが、物言いが付き協議の結果、軍配差し違えで横綱が辛うじて、星を拾うかたちとなった。
照ノ富士が右足を大きく土俵外へ踏み越したことについて、八角理事長は「膝に(古傷を)抱えているからね。(右足を土俵内に)残りたくないと、かばおうとしているように見える。だから右足を出してしまった」と説明。無理に残れば膝のケガを悪化させてしまうため、反射的に足を踏み越したという見方を示した。「膝をかばっているからね。普通なら体を預けて、足を戻すけど膝を痛めるのが嫌だから(つい足が)出てしまう」と重ねて照ノ富士の心理状態が相撲に現れた場面を振り返った。紙一重の微妙な勝負だったことは「ビデオを見ても(勝負判定は)どっちかな、という(微妙な勝負)。宇良のかかと? かかとね…難しい」という言葉に表れていた。

