優勝争いで“伏兵”ともいえる新関脇の若隆景(27=荒汐)が、この日も勝って1敗をキープ。自己最短での勝ち越しを決めた。

【一覧】春場所10日目の取組

200キロ超の巨漢・逸ノ城(28=湊)を相手に2分を超える相撲を制した若隆景に対し、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「立ち合いは考えていた。(逸ノ城の)張り差しを少しズレて食らい付いた。作戦通りだったろう」と立ち合いに注目。その後は、差した右を抱えられ苦しい体勢を強いられたが、1分ほど動きが止まった後、左を絞り上げるようにしてこじ入れ、右は上手を引いて寄り切った。期待の裏返しか、同理事長は動きが止まった場面を振り返り「今場所は調子がいいから最後まで集中力があったけど(本来なら)あそこで、もう少し早く攻めたい。そうすれば上(の番付)が見えてくる」と注文をつけた。もちろん称賛を忘れず「最後はうまかった。勝ち越しは自信をつけたんじゃないかな。ギリギリの勝ち越しじゃない」とストレート給金より1日遅いだけの早期勝ち越しを評価。残る土俵についても「最低2ケタ(勝利を目標)と思ってやってほしい。来場所が楽しみだ」と大関とりの足掛かりの場所になることを期待していた。