大相撲で西前頭14枚目の妙義龍(36=境川)が、夏場所(14日初日、東京・両国国技館)に向けて、順調な仕上がりを披露した。

7日、都内の部屋で稽古し、前頭佐田の海、平戸海、十両対馬洋を相手に10番取って、8勝2敗。序盤から8連勝し、豪快な上手投げや鋭い出足で寄り切るなど、多彩な内容だった。「初日を万全な状態で迎えるため、ハイペースで稽古をしている。若い衆も活気がある」と場所に向けて充実の表情を見せた。さらに「初日までにかぜを引かないといいけど」と笑った。

初土俵から15年目を迎えるベテランでもさらなる肉体強化に余念がない。「下半身強化のため週3日、ウエートトレーニングしている」と明かした。スクワットや床に置いたバーベルを、腰付近まで勢いよく持ち上げるデッドリフトで瞬発力を強化。土俵以外でも自分と向き合っている。

1横綱6大関時代だった12年ごろを振り返り「白鵬関、日馬富士関、琴欧洲関みんなすごかったよね。1場所で三役以上との対戦だけで10番くらいあったからね」と懐かしんだ。「またあのしびれる雰囲気を味わうためにもう1度、三役に戻りたい」。これが妙義龍が稽古に打ち込む原動力だ。19年初場所に小結で相撲を取って以来、三役からは離れているが、幕内上位に戻ることを誓った。【村山玄】

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